*接待・談合・手抜きの実行体験者は語るー公共工事のウラオモテ*

                           2001/2/2 第1回 入札問題学習会 戸田レジュメ


【おいしい情報求めて〜業者の顔売りと議員のおつきあい】

*その市に強い議員さんの紹介で行く。課へ行って、名前を売り込む。

*業者どういう工事があるか「営業」で、設計をする段階あたりでもうみんな知ってる。
  議員さんあたりから聞いて。

*おいしい情報を知ってる人は、業者からおいしいものをいただく。情報料で、付け届けはもちろん。
  役所に対して「実力」がある議員は、そういうおいしい思いをいつもしている。


【第1関門は工事の指名業者に入ること〜役所の密室決定と情報漏れ】

*素案が課長なり係長なりから出て、上の方に、部長とか課長とかが、これははずせとか、これを入れ
  よとか、修正されたものが正規の指名委員会の時に出て素案の通り決まる。・・・芦屋市助役の例・・

*指名メンバーが決まった日には、もう業者は知っている。役所から情報が漏れるから。


【役人はどこでも接待を受けている。〜バレない様にするのがテクニック】

*盆暮れの付け届けとかお歳暮は当たり前。受け取らない人もたまにはいるけど。宅急便でも。

*何かに隠す形で。接待ゴルフ、接待旅行、キャバレーでのませるとか。近隣では絶対にやらない。
  例えば大阪のキタとか。京都の祇園に連れて行くとか。

*例えば、役所の担当者に直接電話する。「何時に待ってる」と言うだけで来てくれる。

*業者が専門に使ってる飲み屋・クラブ。請求書が直接業者に行くようなシステム。
  裏はどういうやり方もできる。「あの人がきたら、うちにつけを回せ」。「10万円やったら、1万円だけ」
  部下を連れて行った時に、ぜんぶ身銭を切ったような格好をして、実際は裏はそうですよ。


【役人の出世のコツは上司への付け届け〜資金源は業者から】
【門真市だけ業者から接待受けてない、なんてあるわけない】


【談合の実態〜現金は使わない。談合喫茶にゾロゾロと・・】

*つい最近大阪市で現金を渡してバレたけど、普通は現金は渡さない。
  金額の大小は関係なく、物件一件についての貸し借り。指名メンパーというのは同ランクだから、
  実際問題としては、そうそう金額は変わらない。

*役所の会議室で説明会が終わったら、みんなで喫茶店とか談合をいつも行う場所に行く。
  一番実力者が司会をする。「この物件について、希望者がいますか」と。
  希望者は、挙手をするなりお願いしますというなりする。

*それをもとに、今度はトーナメントをし、勝ちあがって決勝に残った人がチャンピオン。
  クジなりなんなりで、とにかく二人ずつの組みを作っていくと。それで、その時に、貸しがあるとかない
  とか、その二人の組み合わせによってアトランダムに決めたやつでやって、勝ったもん同士で、また
  組みを作ってやって、同じことを繰り返す。どうしても折り合いがつかない場合は、リーダーの人が決
  める。近隣やとか、なんとかで裁定をする。それでもどうしても折り合いがつかない時は、1から10ま
  での数字を紙に書いて、お互いに引いて「点数の多い方が勝ち」


【談合の筋書きは・・・入札結果を見たら判る】

*(事前価格公表でない場合)チャンピオンになった業者が、一回めはこの金額で、二回目はこの金額
  で・・と全員に渡す。

*(事前価格公表制の場合=一発入札)「うちはこの価格で行きますから、お宅はこれで」、とチャンピ
  オンが配るなりする。

*(入札結果に)同じ金額があったりすることは、ふだを配らずに、「これ以上の金額で」、と。
  例えば1000万円で入れると決めていたら、1050万円で入れてくれ、と言った場合だ。
  (チャンピオンは、談合仲間であってもホンネの金額は言わない。〜万一の談合破りを警戒。)

*結果をみて、同じ金額があった、ということは、口頭で言ったということ。

*各社の入札金額がバラバラになって、うまくバランスがとれた時は、書いて渡した、という場合だ。


【予定価格は民間の実態よりかなり高めの設定になっている】

*「直接工事費」=実際現場で仕事をする時の必要金額。「共通カセツ」。「(保健など会社経営に
  必要なカネの)経費率」。経費率をかけていって最後に設計金額というのが出る。


【丸投げで3割ピンハネ。材料費でも下請からピンハネ・・・下請はタマランです。】

*5000万円の仕事だと、1500万円丸儲け。調査機関がうるさいから、帳面上は複数社に分割下請。

*「材料は支給しましたよ」、という格好で800万で買える材料を、1000万で下請に買わせまた儲け。

*下請けを使ってるのに、届けを出さずに、自分のところでやってるかのようにしてる方が儲け大きい。
  ▲▲のように、下請けに一級の技術者がおったら、自分のところの社員のようにして現場を任せる。
  ▲▲の人間なんて、最初の打ち合わせの時と途中で夜の工事で一回、最後に竣工検査の前に来
  たぐらい。。

*しょっちゅう下請けばっかり使うと、役所では入札の時に不利になる。だからごまかす=門真の例・・

*怪しい元請けの正体がわからないように、経営資格審査に通るように作ってくれる業者がおる。
  技術者が何人おってとか、管理技術者の番号何番がおりますよ、とか二重に登録されてたらすぐ
  にコンピューターでバレるはずなのにバレない。なぜか、僕らもわからないけど・・・

*税務関係は帳面でごまかせる。だから、そのからくりを暴くのは至難の技。


【材料屋も談合。「同等品」というオイシイ話。業者組合と政治献金】

*役所の設計には必ず「同等品」というのがある。同じ品質のものだという証明さえあれば、どこのを使
  ってもいいはずだが、強制ではないけれど、実際にはそこのやつを使わないとアカン。値引きもなし。

*役所も強制せんけれども、そうでなかったら、平気で書類が垂れ流しになるとか、そんな感じ。

*その値段の何%かが、陰で政治献金として渡している。一番極端な自治体は亀岡市。
  全部谷口市政のもとにすべて政治献金として行く。すべての業者が強い。

*業者組合は、例えば工事金額に対して何パーセントの金額で組合費として納めないといかん。
  そのプールされたやつが、政治献金とかになる。
  そういう組合の裏を知ってうまくやれば、政治献金がくる。

*市外の業者が指名業者になるということは、ものすごい金を議員さんに使い、市長に使いして
  いるから。

*「神さんまいり」=地元業者と「仲良しに」なると、どこの議員さんのところに頼みに言ったらできるぞ、
  ということを教えてくれる。「その代わりお金がいるぞ」と。


【下請業者は骨身を削る。材料をごまかし自分の安全を削ってまでも】

*下水道工事〜ヤイタをたてる手間暇とヤイタの材料費、工賃をケチる。
  ただし、写真はとりなさい、と。写真をとるときには一カ所あればいい。写真をとる日は安全基準通り
  の仕事をして写真に撮る。

*夜間工事ということで工事を受け持って昼だけですます時も、夜作業の写真さえあれば、オーケー。

*(埋め戻しに新しい土を使わなければならないが)土を捨てない、買わない、流用する。写真をとる場
  合には、購入した土を上の方にパラパラパラと巻いて、さも購入した土だなあ、とわかるようにする。

*写真の技術がいかに大事か。同じ箇所で、カメラアングルを変えて3カ所分にすることもあり。

*出来上がった品物に対しての品質というものに対しての手抜きは、今はできない。安全性を削ること
  で、利益を出すしかない。

*下請けから始めて元請けになるのはほとんど無理。旗揚げするけど途中でもう万歳するのが普通。

*弱い立場〜契約外「サービス」の数々。全然痛んでいないようなところを、補修してくれとか言われて
  も逆らえない立場。「請負」でしょ、受けた方が負けやから。ただ実際に仕事してたら、タダでしてやっ
  ても工事がうまくいくというのは、ものすごい利潤。なんか苦情があったら工事は止まる、人件費はま
  るまる払わないとアカン。   ・・・・下請はツライよ。      (とりあえず以上。)