三重県議会エライ!

三重県議会がふたつもすごい決議をしました。


<政府提出の有事法制関連法案の撤回を求める決議>

 政府提案の「武力攻撃事態法案」、「自衛隊法改正案」、「安全補償会議設置法改正案」の有事法制関連三法案が国会で審議されている。
 法案では、「武力攻撃事態」について武力攻撃が予想されるに至った事態まで想定しているが、有事の概念がとめどもなく拡大される恐れがある。
 また、国民保護に係わる法制というきわめて重要な部分が先送りになっており、いかにして住民の生命・身体・財産を保護するのかが全く明らかでない。

これらの法律が成立すれば、有事の概念が明らかにされないまま地方公共団体や指定公共機関は国への協力が義務付けられる。
 各地方公共団体の長からは十分な審議と説明を求める声が相次いでいる。
 さらに首相の「指示」が実施されないときは、首相が直接に指示を実行させる代位執行権を認めるなど、周辺事態法の規定以上に国の権限を肥大化させることになる。

 十分な審議がされないまま、物資の保管命令違反に対する罰則も定められるなど、憲法で保障されている国民の基本的人権や財産権を侵す恐れが強く、民主主義の本旨にも とるものと言わざるを得ない。
 よって、本県議会は政府提出法案に賛成することはできない。政府は本法案を撤回すべきである

        以上、決議する。

平成14年5月17日
三 重 県 議 会


<政府提出の個人情報保護法案の撤回を求める決議>

 個人情報を保護するための法設備は、早急に実施すべきである。しかしながら、政府により提出され、現在、審議されている個人情報保護法案は、以下の点で問題があると考える。

1. 個人情報保護法制の基礎となるべき「自己情報コントロール権」についての規定が不明確、不充分である。

2. 個人情報取扱事業者に対する主務大臣の権限が強大であり、公権力による民間への不当介入を招く恐れがある。

3. 報道に対する適用除外範囲があいまいな上に、基本原則が適用されることで、取材 ・報道活動の萎縮を招き、表現の自由を侵害する恐れがある。

 よって、本県議会は、政府提出法案に賛成することはできない。
  政府は、本法案を撤回し、上記の点を踏まえた新たな法案として再提出すべきである。

     以上、決議する。

平成14年5月17日
三 重 県 議 会


【朝日新聞】  

三重県議会が撤回求める決議 個人情報・有事関連法案

 三重県議会は17日、国会で審議中の個人情報保護法案と有事法制関連法案の撤回を求める決議案を、賛成多数で可決した。全国都道府県議会議長会によると、都道府県議会ではどちらも全国で初めてだという。
 個人情報保護法案については「報道に関する適用除外範囲があいまいで、表現の自由を侵害するおそれがある」などとし、新たな法案を再提出すべきだとした。
 また有事法制関連法案については「国民の基本的人権や財産権を侵すおそれが強く、民主主義の本旨にもとるものである」とした。
 臨時会には自民会派などから両法案の「慎重審議」を求める決議案も提出されたが、最大会派の新政みえなどが提出した「撤回」の賛成が過半数を占めた。

中日新聞ではこんなん。

個人情報、有事法案撤回を
三重県議会が決議

 三重県議会は十七日、個人情報保護法案と有事関連三法案の撤回を求める決議を賛成多数で採択した。全国都道府県議会議長会によると、両法案に反対する決議は全国の都道府県議会で初めて。
 決議では、個人情報保護法案に対し「報道に関する適用除外範囲があいまいで、取材・報道活動の委縮を招く恐れがある」、有事関連三法案については「有事の概念がとめどなく拡大され、周辺事態法の規定以上に国の権限を肥大化させる」と批判している。
 採択された決議案は新政みえ、共産が共同提出した。自民などは地方公聴会を開くなど慎重審議を求める対案を出したが、二十七対二十六で否決された。

【伊勢新聞】
http://www.isenp.co.jp/news/_2002/0517/news6.htm

撤回か慎重審議か / 有事法制など決議案 調整つかず二分 県議会各会派代表者会議

 県議会各派代表者会議は十六日開き、この日追加提案された国の有事法制関連法案や前日に結論を先送りした個人情報保護法案への両決議案の取り扱いをめぐって審議。
 結局、新政みえと共産の撤回を求めるとした決議案と、慎重審議を求めるとした自民と無所属・MIEの同案との調整がつかず、十七日の本会議は二通りの決議案を追加上程して、議決することになった。
 鈴木宗男衆院議員の疑惑解明と瀋陽日本総領事館問題の事実究明を求める二つの意見書案は四会派で合意し、原案通り上程される見込み。
 有事法制関連議案は、新政みえと共産が「撤回を求める」としたのに対し、自民と無所属・MIEは国民や地方議会、首長らの意見を聞くなどして「慎重審議を求める」としており、午前と午後の二回の代表者会議でも一本化できなかった。
 両案が上程されると、議長を除く五十三票のうち、二十七票の獲得が予想される新政みえと共産党案が可決される見通し。
 意見書と決議案の四議案は、まず前日の代表者会議で自民が瀋陽日本総領事館問題の意見書提出を提案し、次いで共産が鈴木衆院議員への議決案提出を追加提案して新政みえが同調。併せてメディア規制関連法案についても主張した。