2001年 3月 7日  記載 ヒゲー戸田


3/5本会議;情報隠蔽行政の新年度予算案に戸田が火を吐くような質疑

 普通、初日本会議での議案提案は「議案の説明―質疑ありませんか?―質疑なしとの声―質疑なしと認め、○○常任委員会に付託いたします―次に議案○号○○について」という進行が儀式的に進むのだが、これは各常任委での審議に各会派が参加する・本格的審議は委員会でするもの、というから「理屈」があるからなのだが、本会議で質疑することが禁じられているわけではない。あまり数多くやると会派議員からのブーイングがキツイので、気弱な戸田は問題の多い極く一部の議案についてだけ、簡単な質疑をすることにしている。
それが今回は新年度予算案の一部についての質疑だった。

 なお、今回は考える所あって、全くの抜き打ち的に質疑をした。延々と続く「儀式」 の途中で突如として「議長!質疑!」という戸田の大きな声に議場は緊張した。    ↓
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                      戸田の質疑(原稿)
 5番の戸田ひさよしです。私はたったひとりの無所属であり、常任委員会の中では文教常任委員会でしか質疑質問ができないので、新年度予算案のことでひとつふたつだけですが、文教関係以外の重大な問題について、質疑いたします。

まず第1は、保育所の運営にかかる問題に於いて、各保育園の新年度の定員や、新年度の保育所園の入所予定児童数の中での、すでに通園している児童以外の、いわゆる待機児童の人数や、2月当初段階での待機児童数を示す文書が全く作成されていない、という驚くべき行政の実態であります。

 これは、私が2月16日付けで情報公開請求したことに対する、つい先日の3月2日付けの市からの回答書の中で言われていることでありまして、この回答が事実とするならば、新年度の保育園定数を決めず、待機児童の中で新年度からは入所できる児童数がわかる資料も作らずに、市はいったいどうやって、保育所運営に関わる予算の作成を行うことができたのか、予算案の中での保育園に関わる部分については、信頼の置けるものなのか、はなはだ疑問に思うところであります。この点についての市の答弁を求めます。

 そして、この場で、新年度の保育園の定数、すなわち入園受け入れ数について、公立・私立の各園ごとにその人数を明らかにし、そのうちで、現段階での待機児童の中から入園できる人数を、これは公立私立合わせた総数でいいですから、述べて下さい。また、3月現段階で把握している保育所待機児童数について、その人数を回答下さい。

 質疑の最後に、今年4月1日で解消する計画だった保育所待機児童の解消について、多額の交付金をもらいながらも全く解消できそうにない自治体が、国からヒアリングを受けることになっていて、4月5日までに国に回答書を出さなければいけませんが、大阪府下では枚方市・門真市・東大阪・豊中市の4市だけがその対象になっております。

 門真市としてまことに不名誉なことだと思いますが、さらに不名誉なのは、枚方・豊中・東大阪各市では、4月1日段階で残るであろう待機児童数の見込みについて、部外者の私からの電話1本で教えてくれるのに対して、門真市では自分の市の議員である私がいくら聞いても、ガンとしてその見込み数を隠して言おうとしない、ということであります。
 行政の重大な問題についての情報隠し、説明責任の勝手な放棄であり、許されることではありません。ヒアリングの4市に入っているということは、かなりの人数の待機児童が4月1日にも残っているだろうと言う見込みが、門真市から府や国に報告されているからこそ、そのようになっているはずであります。

 細かい人数でなくて結構ですから、20〜30人程度の見込みなのか、50人から 100人程度の見込みなのか、150人程度までか、200人前後なのか、大枠の見込みを回答して下さい。
 そうでなければ、議員としてキチンとした審議をするための基本情報を隠蔽されたままに審議させられるに等しいと言わなければなりません。4月1日段階での待機児童数のおよその見込み人数を明確に答弁して下さい。


情報インペイ部長の「絵に描いたような」お役人的答弁

 答弁に立つことになったのは、中東源・保健福祉部長殿。戸田に資料を見せないことに異様に固執してきた御仁である。(事務局の録音テープより戸田が記録)
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中東源・保健福祉部長;
 戸田議員ご質問の、保育所入所に関するご質問でございますが、現在その作業を、エー、待機解消に向けての作業を、エー、行なっている段階でございまして、エー、然るべき場でもって、アノー、ご答弁を申し上げたいということで、ご理解をいただきたいと思います。
なお、インペイという言葉がございましたが、決して私ども、そういう考えは全くございません。
 昨年の4月1日現在158人の待機がございましたが、それを解消すべく、現在作業を進める段階でございますので、ご理解承りますよう、お願い申し上げます。
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@突然のことで言葉に詰まるのは仕方ないとしても、保育所の入園受け入れ人数さえ教えない
 という非常識極まりない情報インペイをあくまで居直る答弁なのだ。


戸田の怒りの再質問と繰り返し答弁

             (原稿なしでしゃべったので、事務局テープより記録)
 再質問を行ないます。門真市議会において、再質問が1回しか許されていない、という極めて残念な状況がありますけれども、理事者側には誠実に答弁されるよう求めます。
 ただ今、中東部長が「現段階において調整中であるので」、という理由で数字を述べませんでしたが、今の段階で、4月1日の保育園の入園者定数が幾らか言えない、これはどういうことであるのか? それを定めておるからこそ、いろんな予算を組み、各種の調整、それこそ入園調整をしているわけではありませんか。
 それを「今の段階で入園者の定数すら言わない」という、全く常識にはずれたことと言わなければなりません。それから「然るべき場で」とおっしゃいましたが、まさにこの議会こそ「然るべき場」ではないのですか?

 今、一般予算について「質疑」ち言われたので、私はさせていただきましたが、その審議をするにあたって、各常任委委員会でそれぞれ行なうとしましても、その基本的資料について、明らかにして述べるのが当然であろうと思います。これぐらいの、よそでは部外者からの電話一本で教えてくれるようなことについて、しかも、大阪府でたった4市だけ国のヒアリングを受けるという、受けなければならないという、待機児童解消の見込みが立っていない、「計画に反しておる」という、こういう状況の中で、キチンとした行政責任を果たすために、速やかな答弁を求めます。
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中東保健福祉部長
 えー、先ほどご答弁したとおりでございます。
 現在、その作業を行なっているところでございます。国のヒアリングも当然、エー、アノー、
 オー、に向けて、そのう、待機解消に向けて作業を行なっている段階でございますので、
 よろしくご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
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@戸田はこれ以上質疑することは禁止されるので、このように不誠実答弁が平気でまかり通って討議が深められない仕組みになっているわけだ。

@行政の現状把握をさせない、ということは、「行政チェック」も「みんなで知恵を出す」ことも妨害され、(そのような妨害をする)悪質なお役人にのみ事態が委ねられるために、問題解決がさっぱりできなくなり、結局市民に損害を与え続けることになる。

@門真市保育所行政の驚くべき情報インペイの実態が、これで議会記録にはっきり残ることになった。おめでとう。厚生省も喜んでくれることでしょう。


他市では電話でここまで教えてくれる行政情報なのに・・

2/26電話で「門真市議の戸田ですが」と名乗っての北河内各市と豊中市・東大阪市への調査結果を報告しておきます。初め、門真市が情報隠ししたがるのは国からのヒアリング通告があったためかも、と思っていましたが同様にヒアリング対象である枚方・豊中・東大阪で何ら隠す様子がないことが判り、門真市の異様さが浮き彫りになりました。

 質問項目は、「待機児童と認定する基準」と「最近の待機児童の人数」「今年4/1段階での待機児童数のおよその見込み」などです。(人口と保育園の数を見ると、門真市が保育園が異様に少ないことが判る=公7私7)
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<枚方市> 人口40万人 公立18 私立33
  @待機児童と認定する基準・・・就業中・簡易保育預け・入園時には就業している
  @最近の待機児童の人数・・・・1/1集計で534人
  @今年4/1段階での待機児童数のおよその見込み・・・・200人前後。

<東大阪市> 人口51万人 公立16 私立35
  @待機児童と認定する基準・・・就業中・内定済み・頻繁に求職している。
  @最近の待機児童の人数・・・・・1/1集計で1593人
  @今年4/1段階での待機児童数のおよその見込み・・・・200人近く出そう。
   *保育園の今年の定数は5837人で4/1入所見込み4335人、欠員1502人だが、
    場所などの現実の通園可能性からして、希望保育園に入れない児童が出る。

<豊中市> 人口39万人 公立27 私立5+1分園
  @待機児童と認定する基準・・・就業中・内定済み・頻繁に求職している。
  @最近の待機児童の人数・・・・・1/1集計で616人
  @今年4/1段階での待機児童数のおよその見込み・・・定数に空きがあっても、
   (昨年の欠員150名、待機児童150名)場所や兄弟などの問題で現実には待機
   児童が出そうだが、2月の申込者多くて3月に2次選考することもあり、本日2/26
   段階では概数でもどうしても予測できない。

<寝屋川市> 人口26万人 公立16 私立24
  @待機児童と認定する基準・・・就業中のみ(ただし内定者も入れた数も集計)
  @最近の待機児童の人数・・・・12/1集計で就業中で375人
                     内定者も入れると413人
  @今年4/1段階での待機児童数のおよその見込み・・・・110人程度の見込み。

<大東市> 人口13万人 公立6 私立15
  @待機児童と認定する基準・・・就業中・内定済み・頻繁に求職している
  @最近の待機児童の人数・・・・10/1集計で117人
  @今年4/1段階での待機児童数のおよその見込み・・・・50人前後。
                       *うち就業者の児童10人前後

<守口市> 人口14万人 公立20 私立3
  @待機児童と認定する基準・・・就業中のみ。(それ以外はケースワーカー相談)
  @最近の待機児童の人数・・・・1/1集計で211人
  @今年4/1段階での待機児童数のおよその見込み・・・昨年入所率84%で定数空が
    多いために、2月段階ではどうしても概数予測もできない。
   *昨年4/1での待機児童は40名

<四条畷市> 人口5万5千人 公立4 私立2
  @待機児童と認定する基準・・・就業中・内定済み・頻繁に求職している
  @最近の待機児童の人数・・・・1/1集計で83人
  @今年4/1段階での待機児童数のおよその見込み・・・・50人前後。

<交野市> 人口8万人 公立3 私立7
  @待機児童と認定する基準・・・就業中・内定済み・頻繁に求職している
  @最近の待機児童の人数・・・・11/1集計で102人
  @今年4/1段階での待機児童数のおよその見込み・・・・50人を越えそう


ウソだろ、こんな文書がないなんて?戸田の開示請求への3/2回答

 3/2付け、市長名で戸田の情報開示請求に対する回答が来た。
<公文書不存在決定通知書>というやつだ。信じがたい内容なので戸田流にそれを紹介する。

2/16戸田請求の文書について、
 @;保育所待機児童の本日2/16段階での総数と各年齢ごとの人数が判る文書回答・・・・文書
   作成を行なっていないのでそんなのありましぇーん。
 A;新年度の保育園入園決定の事務手続きが具体的に判る文書回答・・・・文書作成を行なっ
   ていないのでそんなのありましぇーん。
 B;新年度の保育園入園者について、上記待機児童のうちで内定していればその総数と年齢
   ごとの人数の判る文書回答・・・・文書作成を行なっていないのでそんなのありましぇーん。
 C;上記待機児童のうちで、新年度に保育園が受け入れ予定している総数と年齢ごとの人数
   が判る文書回答・・・・文書作成を行なっていないのでそんなのありましぇーん。
 D;各保育園ごとの新年度定員(年齢別・「弾力化」部分も含んでの)回答・・・・文書作成を行な
   っていないのでそんなのありましぇーん。
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 あえて念入りに聞いているので項目が多いが、3/2回答によれば、門真市保育所行政では、
事務手順が判る文書も待機児童数が判る文書もなければ、保育園の新年度定員が判る文書す
らなしで入園決定していき、保育所関連予算も組んでいくことになる!
 全く素晴らしい行政手腕と言わなければならない!

@これに反する文書がひとつでもあれば、市が虚偽文書を作成したことになる。こんなウソ臭い
回答はとうてい承伏できないので、「不服申し立て」をしていくことにします。
 市の職場のみなさん、どうですか?情報あったら内緒で教えて下さい。行政にウソがあっては
ならず、ウソを正すことは当然責務でもあります。 「職務上作成したり、取得した文書、係りの中
で仕事上使っているもの」は全て公開が原則の公文書です。