■「李下に冠を正さず」と正反対のお二人が仲良くポスターで

 「李下に冠を正さず」とは中国の故事。

 「李」すなわちスモモの木の下で冠に手を当てると、スモモを取ろうとしているように間違われるから(スモモ泥棒と思われるから)、そのようなことはすべきではない。つまり「人に疑われるような行ないはすべきでない」ということ。
 「冠」を頭に乗せるのは貴人であるから、特に「君子たる者人に疑われるような振る舞いがあってはならない」ということであり、ここから「政治家たるもの、たとえ法律違反ではなくとも、たとえ状況証拠的なものに過ぎなくとも利益誘導を疑われるような行ないは避けるべし。身ぎれいにせよ。」ということにもなる。

 ところが世の中には、この格言とは正反対に「李下に冠を触りまくって、たまたま指当たったスモモが落ちてきたんで取っちゃった」というようなことを平然となさる「君子」諸侯もいらっしゃる。

 守口市の例で言いますと、かつて今西良一さんという市議さんが、積極的に保育所の民営化を進めて民営化実現したら、自分の奥さんをその民営保育所の理事にしていた、ということとか、自民党の大阪府議で守口選出の西口議員の奥さんもやはり民営化された別の保育所の理事になっていた、という話は有名で、議会でも「公私混同」と追及されたりしています。

 話はさらに続きがあって、このお二人が仲良く写真に映っているツーショットポスターが今年8月下旬に守口市全域に貼り出されましたが、その中で、民営化されて奥さんが理事をやっている保育所にも貼り出されたからまた問題になりました。
 民営化されたといえ、それは市民の共有財産たる施設を無償貸与しているものであって、そこに特定政治家のポスターを貼らせるとは何事か。公私混同、共有財産の私物化ではないか、というわけです。

 抗議の声でそのポスターは撤去されたのですが、この事件は共産党機関紙「新守口」に証拠写真入りで大きく載って、一般市民からも怒りの声があがったそうですが、特に民営化に反対してきた保護者達は、「民営化して自分のヨメさんを役員にしただけじゃなくここまで好き勝手に使うのか」と怒り心頭に達したということです。

 市長というのは「小大統領」と言われるほど権限・権力が大きく、業者からの様々な誘惑も大きいポストでであり、特に厳しく「李下に冠を正さず」の姿勢が必要なポストと思います。
 議員の時でさえこういう公私混同批判を受けるような方が、市長の座に座るとすれば、それは極めて望ましくない、と戸田は考えます。いかがでしょうか?

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