■「今西候補も合併反対」とは大きな誤解。本質は合併推進派その根拠

 「今西候補も合併反対だ」と思っている人が結構多いが、それも無理はない。今西候補本人がその時々相手に応じて「自分は合併反対だ」と言っているからである。真顔でそう言われたら市民としてはそう信じたくなるというものだ。特に選挙戦の後半はあちこちでそういう話を耳にした。
 しかし、それは今西さん一流の集票作戦リップサービスに過ぎないのであって、本質はそうではない。「今西列車」の行き先もまた合併であって、喜多市長とは少し手法は違うだけである。

 合併推進政党の支援を受けていること、どこにも「合併反対」の言葉がないことは既に書いた。
 さらに大事なことは、もしも合併反対であるならば、現在市民の頭越しで勝手に進行中の「合併列車」(法定合併協議会)をストップさせなければならないのに、それへの言及(口先だけでなく文書資料ということ)が全くないということだ。
 今の「合併列車」は、「来年9月議会での合併決議を目指して、その直前の8月協議会までには『合併新市計画』を法定合併協議会の多数決で採択してしまう」という筋書きの下に進行している。
 そしてこの「合併列車」のために両市はそれぞれ膨大な職員の労力を割いている。

 従って、本気で合併反対を実行して財政再建を為そうと思うのであれば、
@「1年後には合併決議」という筋書きのをご破算にしなければならない。
@労力時間の浪費たる合併準備作業から職員を引き上げて、「財政再建」のために調査
  研究、実行、成果点検、に全力を傾注しなければならない。

 ところが今西候補はこういう事には全く触れていない。「法定合併協議会で財政問題の論議を深める」とは言っているが、これは法定合併協議会という「合併列車」の進行(=1年後の合併決議という筋書き)には手を付けないということを意味している。
 しかも9/1協議会までに「過去の財政問題についての論議は終わった」と多数決で採決され、「個別各のあれこれを言い出すことは適切でない」という流れに支配されてしまっているから、仮に今西新市長が守口市の財政問題を持ち出しても、「過去の点検はもう済んだ。今後のことは各市の細かい事情の違いは措いといて」、とされて深い論議などされないことは明白である。

 「1年後に合併決議」という流れをそのままにしておいて、「3年かけて守口の財政再建を進める」などは決して両立できないことである。
 「行政の無駄をなくする」と言うのなら、浪費の最たる現在の合併準備作業をまず廃止させて市政改革に取り組まなければならない。

 結局、今西候補の本質は、「合併のための地均しとしての財政再建論議」だと戸田は判断する。公開討論会で述べた「平成17年以降の人件費などは門真市と協議する」というあたりに、その陰がチラついていると思う。

 「1年後に合併決議」という流れにまで来ているこの段階で、合併問題についての自分の見解は何も言わずに(10期も議員をやってきたベテランが!)、単に「合併問題は 住民投票で決める」としか書かないのは不見識ではないだろうか。
 さて、有権者はどのように判断するのか。