◆今西流「財政再建案」の信憑性は?目下の「合併急行」をどうする?
「まずは守口の財政再建をせんと合併しても財政破綻や」との主張を軸にした今西議員の「守口財政再建案」は、まだ文書で発表されていないけれども、6月議会での質問や出馬表明ほかあれこれ伝え聞くところでは、「民間委託の大幅推進、職員給与の大幅(3割?)削減、退職金の分割払い」などによる人件費削減を目玉にしているようだ。
36年間「与党」議員の座にあって歴代市長を支援してきた自らの責任の捉え方や、これまでの市政の反省点についてとか、公共工事支出の問題などは別としても、そんな「目玉」でいいんかな、実現できるんかな、という疑問が湧いてくる。
◎職員給与の大幅削減
賃金問題は市当局と職員労組とが団体交渉・協約で定めた労働条件の根幹だから、
一方的で大幅な切り下げ実施は「不当労働行為」・「人勧制度無視」として違法行為
になる可能性が大きいし、財政運営に権限を持たされてこなかった職員に積年のツ
ケだけを一方的に負担させる行為は、経営責任者側として妥当なやり方とは言えな
い。強行したら激烈な紛争と行政混乱を招いてしまうだけだろうし、そもそも実行
できないことだろう。
「その前に削るべきところ、正すべきところ、責任を取るべきところ」をまず明
らかにして対処を進めるのが筋であって、「職員給与の大幅削減」のブチ上げは、
問題の根幹から市民の意識をずらすための「ガス抜き」的な「机上の空論」のよう
に思える。
◎職員退職金の分割払い
これは現在の法律では明白に違法行為になってしまうのではないか。労使協議で
定めた事項の踏み倒しであり、退職金を見込んだ(○○の支払に充てる等の)生活
設計を根底から破壊することを公機関がしてよいとは思えない。
◎民間委託の大幅推進
守口市での保育園民間委託に関する不正疑惑や弊害などの捉え直し無しでの推進
は決して「財政再建の切り札」にはならないだろう。
●さらに根本的なことは、「守口の財政再建をキチンとしてから合併問題を考える」
と言うのであれば、まず今進行中の「合併推進急行」を止めることを明言しなけれ
ば意味がない、ということである。
合併推進派が進めようとしていることは、圧倒的多数を合併推進派で固めた今の
「守口門真合併法定合併協議会」の下で、来年8月には「合併新市計画」を議決し
て、住民投票も無しで両市の来年9月議会で合併議決をしてしまおうというもので
ある。
一方、この9月に新市長を誕生させて財政再建・抜本改革に取り組むということ
は、新市長のスタッフやブレーンを編成して改善計画を練り上げつつ、喜多市長の
下で組まれた2003年度予算体制を執行途中に新方針で改善をしながら、2004年度
の新人事、新予算で特色を発揮していくのであって、しかも積年のツケで悪化した
財政を再建するのに半年1年で済むわけがないのだから、今の「合併推進急行」を
停止させること、即ち法定合併協議会を休止か解消させることが不可欠である。
●市の職員特に幹部級職員が現在、合併推進のための膨大な事務作業に終われ
まくっていることは、行政の近くにいる者ならば誰でも分かっていることであって、
これをストップさせない限り、守口の財政再建や行政改革に目も頭も向けられな
いことは明白である。
●言い換えると、少なくとも現在の合併推進の動きへの「反対」を明言せずに、それ
を止める事無しの「財政再建優先論」や「法定合併協議会で財政問題を議論して
いく論」は、現実には現在の合併推進の流れに押し流されるだけの、若しくはそれ
を予定しての「市民無視の合併推進の容認・加担路線」でしかない。
■この点から考えて、今西議員はやはり「合併賛成派」であり、喜多市長との「対立」
は、その枠の中での市長ポスト争いでしかない、と戸田は判断するがいかがだろう
か?
|