1/21勾留理由開示公判での武執行委員長の意見陳述

(1)不当弾圧事件の本質と狙い、(2)今日の時代認識と産業政策運動社会的意義、(3)我々の40年の闘いと今後のスタンス、(4)裁判所に対する要望を述べたい。

不当弾圧の本質と狙い  

今回の「大谷生コン事件」は、我々の組織に対する弾圧を意図したものであると同時に、中小企業が大企業に対して発言力を確保し、対等な取引関係を実現する運動に対する弾圧でもある。
 随分以前から、「『阪南畜産事件の次は、関生支部だ』ということを大阪府警本部のある人物が発言していた」という話を聞いていた 。 つまり、いま「事件だ」と言われる前から、我々を弾圧する為に大阪府警を中心に企まれていたことは明白だ。

「強者の論理」は終焉  

 「赤字を黒字にした」ことを最大評価に、日産自動車のカルロス・ゴーン社長がもてはやされている。 だが、彼の基本的な手法は、徹底的なリストラ・労働者の大量首切りであり、強い者が弱い者を踏み台にして利益を確保するのが本質だ。 いま、ブッシュが世界的に行っている内政干渉は、カルロス・ゴーンと同じように弱者を弾圧し、資源を剥奪する。さらに、小泉内閣が進めるグローバリズムの名によるIT革命、金融革命、行財政革命は、多数の弱者を踏み台にして特定の多国籍企業の利益を代弁する。
 こうした時代は、今や主流になっているようにみえるが、終焉の時代を迎えざるを得ない。アメリカのイラク侵略・占額の泥沼化、世界的な反グローバリズム運動の高揚、国内でも小泉構造改革に対する商工業者、農民、労働者の怒りと反発が強まっている。 従って、こうしたやり方はもう通用しない。

政策運動の社会的意義

 我々が進める産業政策運動は、4点の社会的意義がある。

@大企業の横暴を規制し中小企業を元気にすることにより、労働者の雇用・労働条件を確保すること。30年の政策闘争で、雇用安定と労働条件の維持向上に大きな役割を果たしてきた。 未組織・阻織を問わず、生コン産業に従事するすべての労働者が、この運動によって利益を享受してきた。

A経済と産業の民主化を実現する運動であること。一部の大企業が政治・経済・産業を支配し、事業所数で99.7%を占める中小企業とそこで働く人々を踏み台にして利益をあげる。 この仕阻みを改めることは、民主主義の大切な原理だ。

B産業別労働運動の目標は、産業別賃金・労働条件、産業別雇用計画、産業別福祉制度を確保することにある。

C世の発展法則に則った運動である。150億年前のビックバンによって宇宙が誕生し、人類500万年以上の歴史で、弱肉強食の市場原理=資本主義はわずか400年。 長い歴史の大半は、共生・共存の歴史であり、我々の政策闘争は、社会正義をもった運動だ。

40年の闘いとスタンス

 40年前に生コン支部ができた時、奴隷的な労働条件であった。人間性のかけらも認めない、ひどい労働条件を改善するために必死になって闘った。そして今や、人並み以上の労働条件を勝ち取ることに成功した。
 だが、これは血の潜むような多くの犠牲を払った結果だ。私たちの仲間は、会社が雇ったヤクザに殺され、私自身も耳にしているだけで5回も殺されかけた。そして、多くの仲間が容赦なく権力弾圧を加えられた。しかし、我々は断固として理不尽な攻撃に耐え、資本の攻撃に敢然と闘い抜き今日の労働条件を確立した。 80年代には、日経連の大槻文平会長が「関生型の運動は資本主義の根幹に触れる運動である。箱根の山は越させない」ということで資本と権力による大弾圧を受け、果敢に闘った。また、政党による阻織分断攻撃に対して断固として闘い、労働組合の自治権を確保した。生コン支部40年の歴史は、いかなる攻撃に対しても一歩も怯むことなく闘った歴史である。
 我々は、この闘いの歴史を誇りとし、今回の弾圧に対しても断固として闘うことを明らかにしたい。裁判官が自らの職務を遂行するのであれば、直ちに4人全員を釈放すべきである。