<緊 急 声 明>関西地区生コン支部に対する1・13不当弾圧に抗議する!
2005年1月13日
全日本建設運輸連帯労働組合 中央執行委員長;長谷川 武久
全日本建設運輸連帯労働組合 近畿地方本部 執行委員長:戸田 ひさよし
全日本建設運輸連帯労働組合 関西地区生コン支部 執行委員長:武 建一
本日1月13日早朝、大阪府警は連帯労組(全日本建設運輸連帯労働組合)関西地区生コン 支部に権力弾圧を加え、武建一委員長をはじめ、片山好史、武谷新吾、福島聡の各支部執行委
員の計4人を不当逮捕したほか、支部事務所や自宅など30カ所余りを家宅捜索した。
警察が被疑事実にあげているのは、第1に、関西地区生コン支部が生コン産業再建闘争の一 環としてとりくんできたアウトサイダー業者の協同組合加盟促進活動が、強要未遂および威力
業務妨害罪にあたるというものである。第2に、武委員長が機関決定を経ずに組合資金を知人 の生コン会社に貸し付けたことが背任にあたる、というもののようである。
これらはいずれも、連帯労組関西地区生コン支部が、労働者の雇用安定と中小企業の経営安 定の実現を目的としてとりくんできた正当な組合活動のイメージダウンをねらう、卑劣なでっ
ちあげというほかない。
連帯労組関西地区生コン支部は1994年以降、交通労連生コン産業労働組合や全港湾大阪 支部とともに生コン産業政策協議会を結成。建設工事の激減下に、慢性的な業界の過当競争状
態が原因となって進行する生コン販売価格の値崩れ=業界共倒れの危機を打開し、大多数が中 小企業で構成される生コン産業再建と労働者の雇用安定をめざす業界再建政策を立案、推進してきた
。
具体的には、経済的弱者である中小企業=生コン業者が法律で認められた協同組合の下に団 結することで、生コン産業を支配するセメントメーカーとゼネコンに対抗して、採算のとれる
適正価格や適正取引条件を実現すること、これによって、倒産寸前に追い込まれた中小企業の 経営を安定させると同時に、そこではたらく労働者の雇用と労働条件を守ること、併せて、過
当競争が温床となって後を絶たない欠陥生コンを追放して、消費者の安全と安心を保障できる 高品質な生コンを提供する社会的役割をはたすこと、などをめざして活動をすすめてきたので
ある。
この政策活動は、大阪、兵庫をはじめ近畿一円の生コン業者・業者団体の強い支持の下で大 きな成果と実績をあげたにとどまらず、いまや全国的規模で生コン業界再建のモデルとして中
小企業と労働者の共感を集めるに至っている。
しかしながら、労働者と中小企業の大同団結で健全な業界に作り直そうという、この大きな 流れに背を向けて、いぜんとして個別企業の私的利益を優先するアウト業者(協同組合未加盟
業者)が存在しており、セメントメーカーやゼネコンは、これらアウト業者を不当な利益追求 の手段として利用してきたのである。こうしたアウト業者に対して協同組合への結集をよびか
け、同調を求める活動は、労働者と中小企業の利益にかなった大義ある正当な労働組合活動以 外の何者でもない。
他方、この正当な活動が威力業務妨害事件に仕立て上げられたことで、大きな成果をあげつ つある業界再建活動が停滞、そして後退するのを誰よりも望んでいるのは、この間、中小企業
と労働者が団結して大企業支配に対抗する新たな産業秩序づくりがすすむのを快く思わず、す きあらばこれを妨害、破壊しようと画策してきたセメントメーカーであり、ゼネコンである。
正当な組合活動を強要未遂や威力業務妨害にでっちあげた今回の大阪府警の弾圧は、まさに 労働者と中小企業が10数年間にわたって血みどろで進めてきた業界再建活動を国家権力の手
で破壊する一方で、大企業であるセメントやゼネコンの利害を代弁する暴挙にほかならない。
さらに大阪府警は、今回の権力弾圧を最大限効果的にするために、関西地区生コン支部を代 表する武建一委員長が、あたかも組織の利益に反するやり方で組合費を私的目的のために流用
しているかのように描く背任容疑があるとして、意のままになるマスコミと一部の堕落した労 組幹部を利用して、武委員長と関西地区生コン支部の社会的信用を貶(おとし)めようとして
いる。
しかし、いうまでもなく、連帯労組関西地区生コン支部の財政活動は、毎年の定期大会をは じめとする機関会議に公認会計士の厳格な監査を経て会計報告がなされており、何ら問題があるはずはない。それにもかかわらず、
大阪府警が背任などと主張すること自体、今回の弾圧の本質が、国家権力による前代未聞の組 合つぶし攻撃にほかならないことを示している。
以上みたとおり、今回の弾圧は、中小企業と労働者の団結にくさびを打ち込み、大企業支配 に代わる新たな産業秩序をつくる大義ある政策活動を破壊することを本質的な目的としている。
われわれは、この卑劣な警察権力、そして、彼らを利用して闘いの前進を阻もうとする大企 業の黒い野望には決して屈しない。 「嵐は樹を鍛え育てる」とのたとえのとおり、40年にわたる闘いの歴史をもつわれわれは、
過去にも幾度かの権力弾圧を受ける都度、それを反面教師として受け止め、より一層団結を強 化して運動を発展させてきた。
われわれは、これまですすめてきた我々の政策活動こそが、未来を失った大企業中心の経済 ・産業秩序に代わって、労働者と中小企業のあるべき未来を切り開く道であり、これ以外に現
在の危機を打開する方法はないとあらためて確信する。
そうした確信を全組合員、そして、中小企業家と分かち合いながら、われわれは、不当な権 力弾圧をはね返し、不当に拘束された仲間を早期に奪還する闘い、そして組織に加えられた言
われなき汚名を見事に晴らす闘いに立ち上がることを表明するものである。
さらに、われわれは、これまでにもまして政策活動を強化し、05春闘期間中により大きな 成果を達成する決意であることをも表明するものである。
以 上
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